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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter17 『面影』 17-9
(しかし、見つめていた誠司には、恐ろしさよりも、
艶の頬に、真っ赤な炎と。 黒い髪が舞いあがる様子は。
絵の様に美しいと思えた。)
「炎・・。 火を操るのですね。」
(いつの間にか、艶の小さな体は。
完全に赤い炎に包まれていた。)
(誠司は、艶が、怒りに燃えているのを見つめた。)
「・・すみません。 艶さん。」
(誠司は、艶に、何と詫びたらいいか分からなかった。)
ゴォォォーッ
「ひぃぃぃっ!」
(三笠は、腰を抜かした。)
「艶さん!」
(誠司は艶に近づこうとしたが、
熱せられた空気が、幕の様に立ちあがり。 覆い、届かない。)
「姫。
その秘書さんを脅かすのは良いが・・。」
(剛は、冷静に止めた。)
「市長は、聖の《友達》だぞ。
やけどでもさせたら、まずいだろうぜ。」
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