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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter18 『刷り込み』 18-10


(聞くなり、夏樹は、小箱の蓋を閉め。
窓の外の橘に、ひよこを差し返した。)

「いりません!」

「夏樹様っ。」

(菖蒲が、夏樹へ身を乗り出した。)

「あの・・、一度はお受け取りになった方が・・。」

「橘さんが、聖様に叱られてしまいます・・。」

(夏樹は、人が良すぎる菖蒲に。 不機嫌に、睨んだ。)

「菖蒲・・。 こういう物を受け取ると、

ろくな事がないんだ。」

「本部の僕の部屋に、空間の扉を開けられてるだけで、

十分だよ。」

「試作段階なんて、怖すぎるだろう?」

「た、確かに・・。」

(菖蒲も困った。)

「だいたい、静乃さんは忙しいんだ。

こんなくだらない開発に、付き合わされて気の毒だよ。」

「ですが・・。」



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