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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter18 『刷り込み』 18-11


「空間移動なら、静乃さんにもらった、

この腕時計で十分だ。」

(思った通り、受け取りたくない夏樹の反応と。
困っている菖蒲に、橘は付け加えた。)

「夏樹様、菖蒲さん。 こちらは、聖様が。 夏樹様にいつでもお会いできるように。

考えられました、苦心の作です。」

「そんなことだろうと思ったよ。

あいつは、僕のストーカーか!」

(橘から視線をそらした夏樹の膝の上に。

温かな。 小さな重みが乗った。)

「ん。」

(膝の上に視線を落とすと。
さきほどのひよこが。 ちょこんと、とまっていた。)

「ピヨッ」

(ひよこは、黄色い羽根を嬉しそうに羽ばたかせる。)

「・・・。」

「結構、可愛いですね。 夏樹様。」

(菖蒲が思わず、感想を口にした。)

「菖蒲〜・・。」



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