HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter18 『刷り込み』 18-3


「・・はい。 もうすぐ到着します。」

(静乃は、モニターの向こうで明るく微笑む。)

[「聖くんに頼まれて。 橘さんが夏樹くんへ

プレゼントのお届けに伺うそうよ。」]

「プレゼント?」

(菖蒲は、嫌な予感がし、
ちょうど信号で止まったのと同時に。 後ろの夏樹へ振り向いた。)

「・・!」

(夏樹は、モニターに映らない位置に身を引き。
白い両腕で、大きな×印を作っていた。)

「・・えっと・・。」

(背後からの、夏樹の無言の訴えに。 菖蒲は戸惑った。)

[「小町通りで、少し止められる?」]

「ええ・・はい。」

(青になった信号に、大きな白いリムジンは
小町通りメイン通りに向かい。 走り出した。)

[「OK、それじゃあ。 メイン通り手前の、

双葉書店の脇。 路地にとめてね。」]

[「そこなら、目立たないと思うから。」]

「・・はい。 畏まりました。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ