HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter18 『刷り込み』 18-4
ピッ
(静乃の通信が切れた。)
「・・おい。」
(夏樹は、不機嫌になり。 菖蒲に向き直った。)
「畏まりましたじゃないだろう?」
「・・それは。 僕も静乃さんに、散々お世話になっているから。
何とも言えないけど。」
「この場合、静乃さんより。 僕の意志を
優先しないのは、主人に背いてるとは
思わないか?」
(菖蒲は、四角い縁取り眼鏡の奥で、気まずそうに苦笑した。)
「静乃さんは、別格です。」
「・・おかしいだろ。」
(菖蒲の意志が固いと分かり。 夏樹は肩を落とした。)
***
ブブンッ
キキッ
(リムジンは、人通りの少ない路地で。 停車した。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』