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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter19 『甘い誘惑』 19-1


***

「佐織ちゃん。 チイちゃん。 お茶して行こうよ〜。

せっかく、久しぶりに。 三人一緒に帰れるんだもん。」

(紫苑は、小町通りに差しかかったところで。
親友の二人に振り向いた。)

(長いベージュ色の髪が。 明るい日差しに流れ。)

(茶色のプリーツのスカートに、ベスト。 白いブラウスの胸元に
赤い大きなリボンが揺れる。)

(両脇の髪が。 ピンク色の頬にかかり、
とても可愛らしかった。)

「いいわね!

このところ、生徒会活動ばっかりだから。

もう疲れちゃったわ〜。」

(頼りがいのある佐織は、生徒会副会長をつとめていた。)

(茶色の皮鞄を大きく振り。 わざとさも疲れた表情をしてみせた。)

(佐織は、白いブラウスの胸元に赤いネクタイを締めていた。)

(紫苑を見下ろすくらい背が高く。 すらりとして、
長いストレートの茶色の髪が、美しい。)

「美味しい物食べた〜い♪」

(それでいて、気取らず、気さくだった。)



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