HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter19 『甘い誘惑』 19-10


「ゆっ、夢かしらっ!///」

「かっこ良い・・っ!///」

(背の高い佐織でさえ、見上げるほどで。
佐織は、思わずよろめいた。)

「佐織っ。」

「佐織ちゃんっ。」

(チイと紫苑が、手を伸ばしたが、間に合わない。)

「!

大丈夫ですか?」

(気付いた菖蒲が。

白手袋の手を、佐織に差しだし。 身体を受け止めた。)

(艶やかな、白手袋の手。 佐織は、顔から湯気が出るほど、
胸が高鳴った。)

「お嬢様・・。」

「大変混んでいますから。

どうぞお気を付けて。」

(微笑んだ、菖蒲の瞳は、黒い縁取り眼鏡の奥で。 輝いた。

流れる細い黒髪の、一つに縛った後ろ髪が美しい。)

「おや。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ