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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter19 『甘い誘惑』 19-4


「菖蒲・・。」

「休憩して良いよ。」

「一日運転して疲れただろう。

“闇”が現れるまで、少しかかると思うから。」

「僕は、ここに待ってる。」

(菖蒲は、驚いて運転席から振り向いた。)

「え?」

(ハンドルを持った白手袋の手が止まる。 黒い四角い縁取り眼鏡。)
(黒の燕尾服に、
流れる細い黒髪の、一つに縛った後ろ髪が揺れた。)

「静乃さんが言っていた。

いちご味のクレープが美味しい評判のカフェが、

気になるんだろう?」

「行ってきなよ。

僕は、いいから。」

「!」

(菖蒲は、照れくさくなり。 頬を染めた。)

(白が、二人の会話に振り向いた。)

「・・僕も〜・・甘い物は〜・・遠慮する〜・・。」



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