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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter21 『道しるべ』 21-1
(夏樹は、再び、
意識を集中させ。
小町通りの路地を出た。)
『ひよこのことも、気になるけれど。』
『もうすぐ、“闇”が現れても良い頃だ。』
(夏樹は、視線を。
赤レンガの歩道に落とし、探しながら。
通りの人々に、意識を向けた。)
『今朝出会った、“闇”の気配は。
とても大きな力を秘めているように思えた。』
「・・ひよこは居ないな。」
「はぁ。 バス停の方へ、行ってみよう。」
(夏樹は、再び歩き始めた。)
***
「クロ〜っ。」
(紫苑は、明るいベージュ色の髪を
軽やかに揺らし、あたりを見回して。 走ってゆく。)
「んもうっ。
置いて帰っちゃうぞ。」
(怒った様子を見せ、立ち止まった茶色いプリーツのスカートが風に揺れる。)
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