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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter21 『道しるべ』 21-2


(夕暮れの風が、髪と頬を撫で。
白いブラウスの胸元、赤い大きなリボンを揺らす。)

サワサワサワッ

「あっ!」

(紫苑は、ふいに動いた。
路地横の花壇に気が付いた。)

「居たっ。

もう〜っ、クロ〜。」

(紫苑は、花壇に近づき。
プリーツスカートの膝をつくと。

そっと、生い茂った草を、両手で掻きわけた。)

サワッ

「・・ん?」

「あれ・・?」

(紫苑の、茶色い大きな瞳が。
見開く。)

「わぁっv

かわいい〜♪v」

(屈みこんだ、紫苑の手の先に。
草むらに隠れていたのは。 小さな黄色い、ひよこだった。)

「・・きみも迷子?」



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