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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter22 『雪の中の幻』 22-16


“闇”は、鋭い一撃を与えた。)

ドンッ!!

「・・! きゃぁぁっ!」

(2人は、上空から。 急速に、落下した。)

「くっ・・っ!」

(夏樹は、紫苑を、両腕で抱え。
ぎりぎり巻き起こした新しい風と、
自身の身体で、紫苑を支えた。)

バキッ

「・・うっ・・!」

ガララッ

(小町通り異空間の、ストロベリーカフェの前。
円形に開かれた、カフェスペースの。 緑色のパラソルの上に、
夏樹は、紫苑を抱えたまま。 背中から落下した。)

(風と、パラソルがクッションになり。
衝撃を和らげたが。)

(白いテーブルと、イスの残骸の上に、
打ちつけた背中は、ズキリと痛んだ。)

「・・痛っ・・。」

(紫苑を支えるのもままならない自分の弱さに。
紺色の瞳を歪めた。)

ポッ・・



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