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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter22 『雪の中の幻』 22-6


(声に、少女が顔を上げた。)

サァァッ

「はっ!」

(夏樹は、少女の目を見た。)

(少女は、遠い、その場所から。 穏やかな笑顔で、微笑んだ。)

【(にこっ)】

『僕は、初めて。

その人の顔を・・、見た気がした・・。』

サァッ

(深い。 紺色のソバージュの髪が、
透き通る白い肌に映える。)

(優しく、笑う瞳は。 夏樹と全く同じ。)

(深く色づく。 夜空の様に美しい紺色だった。)

「!」

(再び、風が強くなる。)

ザァァァッ

(風の向こう側で、少女は何か、
小さく囁いた。)

「・・え?」



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