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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter23 『温度差』 23-5


(聖に預けている子供のことを気にしていた。 重役の一人が、
何か言いたげだった。)

「案ずるな。

彩の研究が成果を上げれば。

大変な国益となる。」

「それに。 過去の様な事が起こらなければ、

あれはただの一能力者である、・・子供に過ぎん。」

「今のところ、目立った害はない。

むしろ有益だ。」

「聖を我々の側に置いておけば、

夏樹の事は、大した問題ではない。

後でどうにでもなる。」

「さぁ、分かったら下がれ。」

「私が欲しいのは、彩の研究が進んだか。

どれだけ欠片が集まったかという報告だけだ。」

(黒いサングラスの下で、無表情な顔の黒服の執事が、無言で深くお辞儀し。
息苦しい執務室を後にした。)

***

ピッ



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