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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter23 『温度差』 23-9
(リムジンの窓の外は、黒と紫の入り混じる。 マーブル模様の気流。
視界は、無いに等しい。)
(白は、ぎりぎり絞り出した。
ペットボトルの水を源に。
長い指先、緩やかな手の中で踊る水を操り。
水流で、わずかに開いた窓から。
目指す空間の扉を。 繋ぎとめていた。)
ガガッ
(気流にもまれ、大きなリムジンは。
タイヤを滑らせた。)
「・・んっ〜・・。 夏っちゃんの〜・・心配の前に〜・・。」
「自分の心配だよ〜・・。」
(白は、緩やかな手で、僅かな水流を手繰り寄せた。)
ピッ ピチャンッ・・
(はじけた小さな水滴たちが、白の柔らかな白い服や銀の装飾。
白く柔らかな髪に、雫を残す。)
「・・〜っ・・。 菖蒲ちゃ〜ん・・。
たぶん〜・・、こんな〜・・。 時のために〜・・、
・・僕は〜・・。 呼ばれたのかもね〜・・?」
(白は、激しく傾く車内の後ろ、転がった毛布の間から、
伸ばした手に、出来る限りの力を込めた。)
「・・歪に〜・・飲み込まれたら〜・・
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