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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter24 『選択』 24-10


小さな黄色いひよこが。
ちょこんと可愛らしく、しがみついていた。)

「夏っちゃん以外に、なつくとはね。」

(聖は、銀の指輪が煌めく手を、紫苑のスカートの先へ。
ひよこに伸ばした。)

「・・触るなよ。」

(夏樹は、自分の背中に、顔を埋めている。 紫苑と、一歩下がった。)

「くっくっ。

何だよ。 夏っちゃん。 変な事しないよ。」

(聖は、夏樹の反応が面白くなり。
からかいたくなって来た。)

「しそうだろう?」

(そこで夏樹は、自分が向き合わねばならない
大きな問題に。 身構えた。)

(聖は、ゆっくりと。 夏樹の左腕に巻かれた、
ピンク色のハンカチに目をやり。)

(続いて、夏樹の背中に。
ぴったりと張り付いている。
少女を見た。)

「・・ふぅ〜ん。」

「そういう事か。」

「静乃君が不思議がっていたよ。



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