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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter24 『選択』 24-13


それは、その人のためじゃない。」

「そうだろう?」

「そして、その力のせいで、大切な記憶を一つ無くしてしまうなんて。

良いことじゃない。」

「聖・・。」

「誰もが、消してほしいと思うのか?」

「選べるのなら。

僕ならば・・、辛い記憶が残っても・・。

大切な思い出は、無くしたくない。」

『頼む・・わかってくれ。』

(夏樹の深い、紺色の瞳には、
強い決意があった。)

(夏樹は、背中に、紫苑の温かな体温を感じ。
いつか言おうと思っていた言葉を口にした。)

『国の決めた事に、無暗に反対したいわけじゃない。』

『もしも・・。』

「規律や規則が。

人々を守るためにあるなら。」

「僕は、自由が欲しいなんて言わない。 僕はいい、ただ周りの人たちは。



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