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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter24 『選択』 24-16


「おやおや。 くすっ。」

(聖は、その事が面白く。
微笑んだ。)

「何だい? 僕はまだ・・、何もしていないだろう?」

「夏っちゃん。」

(聖はそう言い、銀の指輪の光る両手を上げ。 金色の瞳を瞬かせた。)

『・・まだ?』

『・・何もしていない・・。』

(聖の言い回しに、夏樹の胸は高鳴る。

至近距離で自分を真っ直ぐに見つめる。 金色の瞳に、
夏樹の白い肌が粟立つ。)

「・・そうだな。」

「彼女は、見ただろう?」

「僕が、先程の“闇”から。

この、“時の欠片”を取り出す所を・・。」

(聖は、胸ポケットから、
銀の指輪が光る指先で。
ダイヤモンドの様に輝く、小さな時の欠片を取り出し、掲げた。)

「・・どうだい?

お嬢さん。」



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