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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter24 『選択』 24-4


トッ

(聖は、最後の黒煙を、払い。
眩い光を纏い、姿を現した。)

ヒュオッ

「・・・!」

(紫苑は、黒煙の奥に現れた、
眩いその人物に。
夏樹の背後で。 茶色の瞳を見開いた。)

『・・バラの・・香り?』

(強い、バラの香りが漂う。)

(現れた長身の人物。)

(長いストールが揺れる度、紫苑のもとへ、芳しいバラの香りを運ぶ。)

トッ

(真っ白い靴の足が、歩を進める度。
金の装飾が華やかに煌めく。
長い腕や足先。 全身から放たれる眩しい程の気配は。
周囲を圧倒する雰囲気があった。)

(宝石の様に、強く。 光を集め、輝く金色の瞳に。
紫苑は見入った。)

「くっくっくっ。」

(その人は、笑っていた。)



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