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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter25 『芝居』 25-5


「その辺にしておけ。

時雨。」

(晃は、ため息交じりに、無礼な自分の執事を、叱った。)

(苛立つ夏樹を、なだめようと。
晃は、夏樹に近づいた。)

(艶やかな黒の服を光らせ、
夏樹の側に立った。)

(FOT No.2と刻まれた。 金文字のピンバッジが光る。)

「心配させるな。

夏樹。」

「聖に。 事態をまとめるから、

空間に入るのを暫く待てと言われたが、

このありさまだ。」

「任せておけば、ろくな事がない。」

「お前もあまり、

あいつの言う事を。 真に受けるな。」

(晃は穏やかに、夏樹を諭したが。)

(夏樹は一切、時雨から目を離さなかった。)

(紫苑はまだ、時雨の腕の中で、目を閉じていた。)



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