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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter25 『芝居』 25-6


「大丈夫だ。

眠っているだけだ。」

(晃は夏樹を安心させようと。
深く、落ち着いた声で告げた。)

「聖、いい加減にしろ。」

「夏樹を本気でからかうな。

夏樹に、説明は済んだのか?」

(晃は、聖を鋭く睨んだ。)

「くっくっ、せっかちだな。

晃君は。」

(聖は、笑った。)

「済んでいないなら、後で良い。」

「時雨、菖蒲が来るまで。

夏樹の側に居ろ。」

(晃は、紫苑を抱える時雨に、
指示を出した。)

「承知致しました。」

(時雨は、黒い瞳を光らせ、
晃に深くお辞儀した。)



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