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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter25 『芝居』 25-7


「悪いが、お前の不満を聞いている場合ではない。」

(晃は、今にも反抗しそうな、時雨を制した。)

「それより、

早く怪我の手当てを・・。」

(止血したピンクのハンカチの上から、
じわじわと血が染み出始めている。 晃は、夏樹の傷ついた左腕を
支えようと。)

(腕を伸ばした。)

バッ!

「・・離せ!」

(夏樹は、晃を振り払った。)

「・・・!」

(夏樹が本気で怒っている様子に、
晃は、驚いた。)

(自分に対して。
夏樹が声を荒げた事は、今まで一度も無い。)

「夏樹。」

(晃が次の言葉を言う前に。
紫苑を、そっと下ろした時雨が。
夏樹の前に、立ち塞がった。)

(晃に対する。 夏樹の行動が、許せなかった。)



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