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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter27 『我がまま』 27-10


(聖は、笑った。)

「菖蒲君。

僕は、ここで下りる。

市長と会う約束があるからね。」

(聖は、一つの空間通路の扉の前で、

車を止める様、菖蒲に指示した。)

キキッ

「白君。

毛布を借りるよ。」

(止まったリムジンから腰を上げ。
聖は、自分の膝から、紫苑をソファーの上に寝かせ。

今や完全に熟睡している、白の上から。
一枚だけ毛布を取り。 紫苑に掛けた。)

(後部座席の下には、睡眠不足のまま力を使った白が、
脱力して眠りこんでいた。)

「・・ぐぅ・・。」

(紫苑も、同じくらいに、深く眠っている様子で、
穏やかに寝息を立てていた。)

「・・すぅ・・すぅ・・。」

(菖蒲は、運転席から降り。 聖のためにドアを開けた。)



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