HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter27 『我がまま』 27-9


『それでも、

聖は、僕の願いを感じ取り。

小さな我がままを、叶えようとしてくれる。』

「菖蒲・・、どう思う?」

(静かに。 二人の会話に耳を傾け、
ゆっくりと。 空間通路へリムジンを走らせる。

運転席の菖蒲に、声をかけた。)

(菖蒲は、白手袋の手で、ハンドルを切り。
四角い縁の眼鏡に、
長い髪を軽やかに揺らし、微笑むと、振り向いた。)

(全身から。
聖に賛成する気配を発していた。)

「夏樹様。

私は、とても良い考えだと、思います。」

(眼鏡の奥の、菖蒲の笑顔に。 夏樹は負けた。)

『感謝しないわけに、

いかないじゃないか。』

「・・ありがとう。」

(夏樹は、少し困った表情を浮かべ、
聖につぶやいた。)

「くすくすくすっ。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ