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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter27 『我がまま』 27-12


ポンッ

「菖蒲君。

夏っちゃんは、君を頼りにしているよ。」

(聖の、金色の瞳に。
菖蒲は、ドキッとした。)

「・・頑張ります。」

(菖蒲は、少し自信無げに、お辞儀した。)

(聖の求めている事に、
自分の仕事が応えられているのかどうか。 分からなかった。)

バサッ

(菖蒲は、真っ白なスーツの裾が、
金の装飾を煌めかせ。 目の前を通り過ぎ、
空間の扉の向こうへ、消えるのを。 見送った。)

バタンッ

「夏樹様。

彩さんの居る、研究所へはすぐに着きます。」

「傷が痛むでしょうが。

もうしばらく頑張って下さいね。」

「・・ああ。

もう、それどころじゃないよ。」



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