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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter27 『我がまま』 27-3


「FOTの事を知りたい者が、狙う可能性もある。」

「闇雲に、記憶を消そうとしている訳じゃないよ。

誤解しないように。」

(夏樹は、聖の膝の上の紫苑を見た。)

「・・・、分かってる。」

(自分の考えは、ただの我がままで。 甘い考えに過ぎないと、
夏樹自身も分かっていた。

『それでも、出来るなら、力を使ってほしくないんだ。』

『出来るなら、

風を操る力さえ。

本当は、使いたくない。』

(夏樹は、紺色の瞳で。 幸せそうな紫苑の寝顔を見つめた。)

「彼女を、守りたいんだろう?」

(何か、考え込んでいる様子の夏樹に、聖は問いかけた。)

「・・え?」

(夏樹は、顔を上げた。)

「君には、責任がある。」

「彼女の記憶と共に、これから彼女を守ってあげないと。」



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