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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter27 『我がまま』 27-6


「だから、君が、

彼女を監視すれば良いのさ。」

(夏樹は、一瞬、
聖が何を言っているのか。 分からなかった。)

「・・は?」

「だから、夏っちゃんが、

彼女を監視すれば良いだろう?」

「見てご覧、

彼女が着ているのは。 風見ヶ丘高校の制服だよ。」

「見たところ、静乃君が担任で、

夏っちゃんが通う予定のクラス、『2年A組』の生徒だ。」

(眠る紫苑の胸元には、校章のピンバッジがとめられていて。)

(白い一枚羽根の紋章に、ローマ字でKAZAMIと描かれている。)

(そこには、2-Aと刻まれていた。)

「・・・。」

(夏樹は、それだけでは、済まない気がして。
思わず、開いた口が閉じなかった。)

「・・それで?」

(さらなる不安に、夏樹の両肩が下がる。)



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