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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter27 『我がまま』 27-8


(夏樹は、再び、傷が疼く気配に。 顔を歪めた。)

「・・僕を屋敷から、

追い出したいのか?」

(夏樹の強い視線を受け、聖は面白そうに笑った。)

「くっくっくっ。

夏っちゃん。

屋敷を、出たかったのは。 君の方じゃないのかい?」

「街の中で、

暮らしてご覧よ。」

(聖の言葉に、夏樹は、深い紺色の瞳を
大きく、見開いた。)

(聖の言葉には、確かに。
夏樹への温かな愛情がこもっていた。)

「・・・・っ。」

『自分に歯向かうなら、屋敷を出て行けと

言ってもらった方が、まだ良かった。』

『僕が未熟な事は、百も承知だ。』

『聖の創ってくれた環境が。 僕を守ってくれている事も

知っている。』



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