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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter28 『姉弟』 28-1
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「ふぅ。
随分酷く、やられたわね。」
「大きな“闇”だったって。
静乃さんからデータが届いているけど。」
(巨大な、横に広く低い円形状の建物。
国の研究施設。 国家生命科学研究所の、本棟の一室で、
彩は、すっかり今朝と打って変わり。
ぼろぼろに何だか疲れ果てた様子の夏樹を、目の前に診察していた。)
「怪我をするなんて、珍しいわね。」
「油断したんでしょう?」
(彩は、白衣を軽やかに靡かせ、心地よい。
衣擦れの音と共に。 夏樹を支え、傷ついた左腕を
素早く処置した。)
「ああ・・まぁ。」
(夏樹は、小さな丸椅子に腰かけ。
病院に辿り着いた安心感に、肩の力を抜いていた。)
「ちょっと痛いけど、我慢してね。
跡が残らない様にするから。」
ギュッ
「ん・・。」
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