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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter28 『姉弟』 28-10


(夏樹は、脇目も振らず、
菖蒲の襟首を掴み。 菖蒲を真紀から引き離すと。
向かいに停まっている、白いリムジンに向かって早足で歩きだした。)

トットッ

「・・菖蒲。

僕に言われたくないと思うけど。

女性の押しに弱過ぎる所は、直した方が良いと思う。」

「ごほっ・・。

すみません、夏樹様・・。」

(菖蒲は、夏樹に引っ張られ、息が詰まったネクタイを直しながら。
反省した。)

***

キキッ

ゴオオッ

ブブンッ

(白いリムジンは、緑あふれる屋敷の裏手に停車した。)

(夕闇に、灯る。 オレンジ色のランプ達が、
ほのかに色づく外壁を、温かく灯し。)

(風格のある、白亜の洋館を、温かな光に包み込んだ。)

「着きました。 夏樹様。」



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