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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter28 『姉弟』 28-15


「菖蒲くん。

そっちの彼女を、わたしの部屋に連れて行ってあげて。」

「少し休んだら、きっと

目を覚ますと思うから。」

「わたしの服を着替えに用意してあげるから。」

(菖蒲は、千波に微笑み、
紫苑を抱え、階段へ向かった。)

「畏まりました。」

(菖蒲を見送った後。
千波は、短い茶色の髪を揺らし、
今度は、夏樹に向き直った。)

「夏樹!」

「ん?」

ぎゅうっ

(千波は、玄関先の廊下で。
夏樹を突然、強く。 抱きしめた。)

「あ?

ち、千波ちゃん?///」

(千波が、しばらく。
夏樹を抱きしめたまま、離さないので。)



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