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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter28 『姉弟』 28-4


(彩の言葉に、夏樹は怒って見せた。)

「そうですか。

それは、心配させてごめんなさい。」

(彩は、診察室の扉を開け、夏樹を外に促し。
笑った。)

キイッ

「ふふふっ。

これ、千波ちゃんにお礼を伝えて。」

「美味しかったわ。」

「ありがと。」

(彩は、机の上から。 空になった、可愛い袋に包まれる、千波の手作り弁当箱を
夏樹に手渡した。)

「伝えておく。」

(夏樹は、微笑み。 弁当箱を片手に、
診察室を後にした。)

「ほんとに、良い子ね。」

(彩は、夏樹を見送り。
ふと、夏樹の進路と逆にある。 廊下の奥深く。 薄暗い通路へ続く、
検査室に視線を移した。)

(診察室の外には、廊下を挟んで奥に、
続く、閉ざされた。 無数の検査室が並んでいた。)



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