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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter28 『姉弟』 28-5


(彩も、その検査室を利用したことは無く。)

(そこには、彩の使用した事の無い、機材が積まれている。)

(今は、ただの物置と化していた。)

「埃をかぶって、無駄なスペースがあるわ。」

(普段、夏樹が健診に訪れるのは、手前にある。
光の射し込む、診察室だけで。

奥へ続く、検査室へは。 足を踏み入れることは無い。 その存在すら、

気に留めていなかった。)

「片づけて、診察室を広くしようかしら?」

(彩は、何となく。 そんな事を思いながら、
明るい光の射す。 研究室へ、踵を返した。)

***

ピシッ

シュンッ

(軽い空気音に、自動扉が、両開きに開いた。)

(白衣で行き交う、無数の男女の研究員達の中で、
菖蒲は、不安げな表情を浮かべ。

一際広い。 円形状の建物の上部に刻まれた
National Biotechnology Laboratoryの文字を見つめていた。)

「あっ、夏樹様!」



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