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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter28 『姉弟』 28-6


(ドア音に、正面入り口に。
菖蒲は駆け寄った。)

「診てもらえて、良かったですね。」

(菖蒲の視線の先で、
夏樹の白い左腕には、包帯が丁寧に巻かれていた。)

「ああ。

しばらくは大人しくしてろって言われた。」

「そうでしょう。」

(二人は、周りの研究者達が、振り向くのも気にせず。
芝生の上をリムジンに向かい歩いた。)

「“闇”が出ない限り、

大人しくしてるよ。」

「夏樹様っ。」

(注意しようとした菖蒲の後ろで、夏樹を呼ぶ声がした。)

「あっ!

夏樹さ〜ん。」

(周りの研究者たちと、明らかに違う音程の。
明るい声が木霊し。 夏樹は振り向いた。)

「ん?」

「あ・・、えっと。」



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