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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter28 『姉弟』 28-8


「あ・・ああ、そう。」

「でも、

怪我をして治療に来るなんて。

滅多にあってほしくないよ。」

(夏樹は、不機嫌な様子を見せたが、
真紀は全く、動じていなかった。)

(続けて、菖蒲に視線を移すと。
持っていた書類を小脇にかかえ。 両手で、菖蒲の白手袋の手を握り締めた。)

「あっ・・!」

(突然のことに、これには菖蒲も動揺した。)

「菖蒲さんっ!

執事って素敵ですね。」

(こんなに積極的に、女性から接近される事など、
静乃以外に、ないことだった。)

「あ・・、あの・・。」

(多少なりとも、動揺した様子の菖蒲に、
夏樹は、横で。
右肘で、菖蒲の脇腹を小突いた。)

「うっ、えっと・・。」

(真紀は、ますます。 両手に力を込め、菖蒲を自分の方に
引き寄せた。)




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