HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter30 『交換条件』 30-13


「別に、かまわないさ。」

(聖は、気軽に金色の瞳で微笑んだ。)

「どちらにしても、腹の探り合い・・に、なってしまうでしょう。」

「あなたは、それさえも、気に留めていない様ですが。」

「それでも、国を納得させるだけの事を、あなたはして来た。」

「きっと、これからも、そうでしょう。」

(聖は、笑った。)

「くっくっ。 それはどうかな? 橘君。」

「如何でございましょうかの?」

(振り向いた聖の視線の先で、橘も微笑んでいた。)

(かつての記憶と違わぬ、二人の懐かしき人物の姿に。
誠司は、再会の喜びを強く感じた。)

「聖さん、橘さん。

また、お会いできて嬉しいです。」

(聖は、物怖じしない、誠司の様子に。 出会った時の事を思い出し、
懐かしさを覚えた。)

『民間人で。

僕らに会えて嬉しいなんて言う人は。

この人くらいじゃないか?』



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ