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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter30 『交換条件』 30-14


『相変わらずだ。』

「くっくっ。

誠司君。 相変わらずだな。

会わない方が、身の為だと思うが。 誰かれ構わず、手助けしようという

少々お節介な君の方針が。 また僕らを招き寄せた様だな。」

「僕達FOTと、積極的に関わろうとしている事を、

周りの連中に、煙たがられているらしいじゃないか?」

(聖は金色の瞳を揺らし、懐かしい友人を見つめた。)

「橘。

代わってあげてくれ。

桜君だろう?」

(聖は、そこで、誠司が握ったままの携帯に視線を移し。
橘に促した。)

「畏まりました。」

(橘は、穏やかに微笑み。 誠司に歩み寄った。)

「代わって頂いても、宜しいでしょうか?」

(橘は、丸眼鏡の奥で、
優しい灰色の瞳を誠司に向けた。)

「はい。」



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