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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter30 『交換条件』 30-17


ピッ

(橘から、携帯を受け取りながら。 橘の説明に、耳を傾けていた誠司が、
聖に向き合った。)

「まさか、闇に・・。」

(不安げな誠司の表情に、聖が付け加えた。)

「上のお嬢さんが闇に遭遇したが。」

「心配ないよ。

怪我はしていないし。 記憶の保持も許されるからね。」

「・・そうですか。」

(誠司は、ほっとした。)

「これは、お嬢さんと一緒に闇に遭遇した、可愛いうちのVIPの。

たっての希望だからね。 僕としては。 叶えないわけには、行かないだろう?」

『VIP・・?』

「下のお嬢さんは、好奇心が強いようだね。」

「え・・、ええ。

そうかも知れませんね。」

(聖の言葉に、誠司は、天真爛漫な蒲公英の事を思った。)

「メンバーの後を追っていて。 FOTの分室の中に、

入ってしまった様なんだ。」



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