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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter30 『交換条件』 30-19


『!』

「そうですか・・。 僕は、二人は喜ぶだろうと思います。」

(聖の寛大な措置に、誠司は感謝した。)

『大切な思い出を失っても、おかしくはない状況なのに。』

「くっ。 喜んでもらっても困るな。 危ない事から、避けるべきだと。

君は、教えないんだね?」

(聖は、金色の瞳を揺らし笑った。)

「知らない世界があるなら。

それは、知るべきだと思います。」

「そこに、素晴らしい人たちが居るなら。

なおの事。 新しく知る事は、ためになります。」

「初めは、怖かったとしても。

恐れていては、何も始まりませんから。」

(聖は、焦げ茶色の瞳を見つめた。)

(自分を見つめる誠司に、聖は、銀の指輪をはめた両手を組んだまま。
輝く金色の瞳を向けた。)

「君や桜君は、

人を信用し過ぎる。」



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