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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter30 『交換条件』 30-9


「どうしました?

桜さん?」

(仕事中、桜が掛けてくる事は滅多に無かったので。
すぐに、何かがあったのだと誠司は察した。)

[「お仕事中、ごめんなさい。

誠司さん。」]

「大丈夫ですよ。 今は、僕だけですから。」

[「良かった・・。 もう少し、待とうかと思ったのだけれど。」]

[「でも、私・・。

どうしたら良いかと思って・・。」]

(桜の声は、少し慌てている様だった。)

「うん。」

(誠司は、桜の声に、耳を傾け。
静かに返事をした。)

[「・・どうしましょう・・?」]

[「二人とも、帰って来ないの。」]

(誠司は、子供たちの事だと思った。)

「紫苑さんも、蒲公英さんも?」

[「ええ。」]



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