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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter31 『交渉』 31-11


「自分なら。

大切な思い出を、無くしたくないと言ったんだ。」

「僕は、

出来るなら・・。」

「叶えてあげようと思う。」

(しかし、それを叶えるには。
一番、隠して置きたい出来事から、目を逸らす訳にはいかない事を。
誠司も感じた。)

「とても強い封印だからね。」

「簡単に解けるものでは無いし。

出来れば、忘れていた方が良いが、夏っちゃんがそうさせては

くれないらしい。」

(聖は、心に決めている様だった。)

「今すぐというわけには、行かないが。」

「いつか、夏っちゃんに。 受け止められる時が来たら・・、

そうしてあげたい。」

「それまでは、君の心の中に。

留めておいてくれないか?」

「それが、僕の二つ目の願い事だ。」



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