HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter31 『交渉』 31-12


(誠司は、本来。
聖が自分にそれを願う必要が無い事を知っていた。)

「どうする?

誠司君。」

「それとも、桜君との大切な思い出を、

失いたいかい?」

(そう言い、側に連れて来て置きながら。
誠司は、聖が、橘の力を使うつもりは、無いだろうと思った。)

『橘さんに、力を使わせない為に。

僕に頼んでいるんだ。』

「あなたは、思ったよりも。

やはり良い人ですね。」

(誠司は、微笑んだ。)

「僕は、脅しているんだけどね?」

(相変わらず、からかい甲斐の無い誠司に、聖はため息をついた。)

「・・夏っちゃんなら、すぐに冗談に乗ってくれるのに。

つまらないな。」

「くすくすっ。

僕は、大人ですからね。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ