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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter31 『交渉』 31-3


「それは、心強いです。」

(誠司も微笑んだ。)

「誠司様。 宜しければ、こちらにサインをお願い致します。」

(橘が、資料の一枚を誠司に差し出した。)

(誠司は、気軽にペンを取り。 サインをしようとしながら、
尋ねた。)

「どなたが、お住みになるのですか?」

(聖は、眩いほどに真っ白なスーツの両腕を組み、
さも面白い事の様に、笑った。)

「夏っちゃんだよ。」

「え?」

(誠司の手が、ペンを持ったまま止まり。)

(温か味のある焦げ茶色の瞳が、驚きに瞬きした。)

『夏樹君・・?』

「夏っちゃんの話では。

僕のせいということに、なっているんだけどね。」

(聖は、肩をすくめて見せた。)

「どういう訳か、

君の、上のお嬢さんと一緒に。 夏っちゃんが、闇に遭遇したんだ。」



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