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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter31 『交渉』 31-4


「夏樹君を、屋敷や本部から離すなんて、

思いきった事をしたものですね。」

「国の人たちが、許すでしょうか?」

(誠司は、真剣な表情を聖に向けた。)

「くすっ。 規則は、変えれば良いし。 良く見れば、抜け道があるものだからね。」

「ああ、なるほど。」

(誠司は強引に認めさせるつもりだろうと察し、苦笑した。)

「総司令官の僕としては。」

「君のお嬢さんだからと言って、何も対処しないわけには、いかないし。」

「かわいい子には、旅をさせろと言うしね。」

(誠司には、後半の言葉が。 聖がそうしたかった理由の様な気がした。)

「夏樹君は、元気ですか?」

(誠司は、あまりの嬉しい出来事に、笑顔になりながら。
軽やかに、ペンで資料にサインした。)

「元気だよ。」

「直に会えるのだから、自分の目で

確かめると良い。」

(誠司は、サインした資料を、橘に手渡した。)



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