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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter31 『交渉』 31-5


「・・ありがとうございます。」

「桜さんはきっと、夏樹君にとても会いたかっただろうと

思います。」

(聖は、昔の記憶を思い出す様に、
ふと、宙に視線を移した。)

「そうか・・。」

「桜君は、夏っちゃんに会った事が

なかったんだね?」

「千歳君が、初め、君だけに話したと

言っていたからね。」

「はい。」

(聖は、誠司が。 笑顔で、まるで、ただの賃貸契約書に
軽く記入するかの様に。
むしろ、喜んでサインする様子を眺めていたが。

再び誠司に、向き直った。)

「誠司君。」

「良く、読んだかい?」

(聖の言葉に、誠司は、きょとんとした。)

「もちろん。 読みましたよ。」

(資料は、誓約書になっていた。)



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