HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter31 『交渉』 31-6
「・・『以上が、Fragment of Timeと交わす契約となる。』
・・『これにより、生命及びいかなる存在に害を及ぼすとも。
一切の責任を問わない。』」
(誠司が誓約書を読む様子を見つめながら、聖は再度、確認した。)
「つまり、命の保証は無いってことだよ。」
「君も、君の家族もね。」
「昔の事もある・・、君は怖くないのかい?」
(誠司は、今さらな問いかけに。 微笑んだ。)
「あなたは、心配要らないと言って下さいました。」
「あの時、夏樹君を引き取ってくださったあなたが、
そう言うのですから。
僕は、安心して。 お預かりするまでです。」
「それに・・。
国の方たちは、どう考えたか分かりませんが。」
「僕は、
あの時、闇を引き起こしたのは。 夏樹君ではないと
思っています。」
(誠司の焦げ茶色の瞳は、不思議と、強い確信を持っていた。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』