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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter31 『交渉』 31-8
「何でしょうか?」
(誠司は、聖がこれから告げることが、
本題ではないかと思っていた。)
(リラックスした様子で。 ソファーに気軽に腰かける聖の側に、
橘が、寄り添って立っている事が。)
(誠司は、気にかかっていた。
何の、理由も無しに。
橘を付き添わせるはずはない。)
「誠司君。」
「夏っちゃんはね。
あの時の事を、覚えていないよ。」
(ゆっくりと話し出す聖の言葉に、誠司は耳を傾けた。)
「・・やはり。
橘さんの、力を使ったのですね?」
(幼い子供に背負わせるには、重すぎる出来事だろうと。
誠司も思っていた。
けれど、数少ない。 千歳との思い出が、夏樹の中から消えてしまうことと、
どちらを取るべきなのか。
迷いながらも。
秤に掛ければ、そちらを選ばずにいられなかったのだろうと、誠司は感じた。)
(そうであってほしくないと。
思いながら、誠司は、それだけでは無い気がして。 先を尋ねた。)
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