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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter32 『柔軟』 32-11


『まさか、こんな日が来るなんて・・!』

(桜は、微笑み。 茶色の瞳を潤ませて、夏樹を見つめた。)

『深い紺色の瞳は、彼にそっくりよ。』

『少しくせづいた紺色の髪が、とても綺麗で。』

『白い肌に良く映えてた・・。』

『ふふっ。』

『まるで、彼を、小さくしたみたいね・・。』

(ただ、目の前に立つ。
夏樹と出会えた事が、桜にはたまらなく嬉しかった。)

(桜は、嬉しくて微笑んでしまう事と、感動し溢れ出しそうな涙を堪えるため、
エプロンの裾をぎゅっと握り。
夏樹に向き合った。)

「遅くなって、すみませんでした。」

(夏樹はそう言って、深く。 桜に頭を下げた。)

「・・夏樹くん・・。///」

(紫苑は、どうして良いかわからずその場に立っていたが。
自分以上に、母の方が驚いている様子だった。)

「いいえ、良いの。

良いのよ・・。」

(桜は、しばらく何も言えず、
気持ちが落ち着くまで、夏樹を見つめていた。)



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