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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter32 『柔軟』 32-16


(桜は夏樹の手を温めようと、両手で包み。
マッサージする様に、優しく温かな手を重ねた。)

『・・!』

(夏樹は、感じたことの無い優しさを、間近に感じた。)

「ママ、夏樹くんが困ってるじゃない?」

(紫苑は桜に微笑んだ。)

「あら、ごめんなさい。」

「ふふっ。」

「それじゃぁ、お夕飯はまた今度

ご一緒しましょう。」

「すぐお隣に住むんですもの。

いつでも遊びに来て良いのよ。」

「さぁ、お部屋の鍵を持ってくるわね。

中を案内するから、少し待っていて。」

パタタッ

(桜は、玄関から、温かな明かりの廊下へ向かった。)

「夏樹くん。

今日は、ありがとう。

また、明日ね。」



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