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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter32 『柔軟』 32-4
「・・来年か・・、見れるかな?」
(紫苑は、夏樹の顔を見上げた。)
(夏樹の白い肌に、深い紺色の瞳が。
遠く家々のオレンジの灯りを微かに受けて。 光っているのを間近に見つめた。)
「うん。 見れるよ。
毎年、この辺りはすっごくきれいなの!」
(紫苑はとても楽しそうに笑った。)
『この街の闇は、手強そうだから。
きっと時間が掛かるだろう。』
『でも、』
『またいつ、この街を出るか。
分からないからな・・。』
(ぼんやりと考えている夏樹を余所に。
紫苑はいそいそと、楽しげに。 今度は自分たちの後ろにある
アパートに向かいパタパタと走り出した。)
「夏樹くん。 そして! ここが
snow drop」
(紫苑はそう言って微笑みながら、目の前に建つ。
小さな白いアパートの前で、夏樹に向かって振り返った。)
「・・ああ。」
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