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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter32 『柔軟』 32-6
(夏樹の緊張が伝わり、菖蒲も何だか緊張していた。
玄関の街灯の前近くに、二人は立っていた。)
「僕は、彼女ほど、柔軟じゃないみたいだな。」
「・・はぁ。」
「くすくすっ。」
(夏樹の様子に、菖蒲は笑った。)
(紫苑は、楽しげに足取り軽く玄関に向かっていた。)
(玄関の前には、白いアーチが掛かり。
アーチには、snow dropと文字が描かれている。)
(アーチの奥には、すぐ隣り合って。
同じ形の二階建ての建物が並んでいた。)
(紫苑は、二人の前に立ち。
すでに呼び鈴を鳴らそうと、人差し指を伸ばした。)
「ちょっと、待って。
紫苑さん・・。 あの。」
トタトタトタッ
「少し心の準備が・・。」
(夏樹が紫苑を止める前に、
そして、紫苑が呼び鈴を押す前に。)
(遠くから聞こえる足音と共に。 玄関ドアが、勢い良く開いた。)
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